散骨のメリット・デメリット
故人の遺骨を粉末状にして海や山に撒く散骨ですが、一般的な葬送としてお墓や納骨堂へ安置するか、海や山へ散骨をするかで悩む方もいるでしょう。
この記事では、散骨のメリット・デメリットを並べてお伝えしますので、葬送方法を決める際のご参考にしてください。
散骨のメリット
始めに、散骨のメリットからご紹介します。
散骨が人気を集めている理由を確認してみましょう。
メリット① お金の負担が少ない
散骨の大きなメリットとして、負担するお金が少ないということが挙げられます。
粉骨や散骨にかかる費用は必要となりますが、お墓を建てる場合に100万円以上が必要となることと比べると、10分の1以下の費用で済ませることができます。
お墓の維持費も必要無いため、自分の子供や孫にも負担をかけずに済むでしょう。
お墓を持っている限りは、遺骨をお墓へ入れるため納骨を石材店に依頼したり、お坊さんにお墓の管理費を支払う必要が生じるため、お金がかかり続けることになります。
離檀をして散骨による供養に切り替えることで、今後必要となる費用負担を大幅に減らすことが可能となります。
メリット② 故人の希望に沿うことができる
人によっては、亡くなった際にお墓の中に入れられるのではなく、自然に還してほしいと考える人がいます。
1990年までは散骨をする人が誰もいなかったため、海や山に遺骨を撒いてほしいと願っても叶うことはありませんでした。
現在は海や山といった、より自然に近い場所で還りたいという、故人の希望を叶えることができるようになりました。
メリット③ 後継者を気にしなくて済む
お墓の後継者を巡る問題は、ニュースで取り上げられたこともあります。
お墓が増えるに従い、金銭面から維持管理をすることが難しくなってしまったり、お墓を引き継ぐ子孫がいないといった問題が浮き彫りになりました。
散骨であれば、遺骨を自然に還してしまうため、管理すべきお墓が残ることもありません。
自分のお墓の維持管理をする人を求める必要が無いことも、散骨の大きなメリットの一つであると言えるでしょう。
メリット④ ペットの散骨もできる
ペットのお墓を作ることも可能ではあるものの、金銭的な問題や、霊園の許可が得られないといった問題などからペットの供養が難しくなる場合もあります。
散骨であれば、ペットの遺骨も少ない費用負担で行うことができるため、飼い主としてしっかりと供養してあげたいと考える人にはおすすめです。
また、ペットのお墓を作る場合は、人間のお墓と別管理されてしまうことが普通です。
散骨であれば、飼い主とペットの遺骨を同じ場所に散骨することで、家族の一員として供養ができることも嬉しい点です。
散骨のデメリット
多くのメリットがある散骨ですが、デメリットもいくつか存在します。
散骨のデメリットも併せて把握した上で、供養の方法を決めるようにしましょう。
デメリット① 周囲の理解を得られない場合がある
先にご説明したように、すでに1990年から散骨は開始されていましたが、散骨が広く認知されているとまでは言えない状況です。
散骨をすることに対して、遺族から反対の声が上がる可能性もあるため、周囲の同意を得てから散骨をするようにしましょう。
遺骨をお墓に入れることが大切な供養であると考えている人は多いため、他の遺族とのトラブルを避けるためにも、事前にしっかりと話し合うようにしてください。
デメリット② 遺骨が残らない
散骨をする際は、遺骨が粉末状になるまで粉砕した上で海や山に撒くため、遺骨が手元に残りません。
遺骨をお墓に入れたり、形見として持ち歩くことができなくなるため、散骨してから後悔してしまう可能性もあるでしょう。
不安な方は、遺骨の一部をアクセサリーにするサービスなどがあるため、散骨の前にそちらを利用してみると良いでしょう。
形見として一部の遺骨を手元に残しておくことができれば、散骨をしてから後悔してしまうことを避けることができます。
デメリット③ 散骨にかかる金銭的な負担
散骨は従来の埋葬と比較すると遥かに費用負担が少ないものの、ある程度の費用がかかることは覚悟する必要があります。
葬式の費用に加えて、遺骨を粉砕するための費用や、海洋散骨の場合は船舶借用代など、散骨ならではの費用負担が必要となるでしょう。
散骨にかかる費用は事前に計算しておき、納得してから散骨をするようにしてください。
散骨業者に依頼した場合は、費用の計算を代わりに行ってくれるため、どのような流れで散骨を行いたいかという、明確なイメージを伝えておくと良いでしょう。
まとめ
散骨のメリット・デメリットについてお伝えしました。
デメリットについては、事前に遺族に散骨に関する説明をしたり、一部の遺骨を手元に残しておくことで解決することができます。
故人の要望を尊重しつつ、トラブルの無い散骨を目指しましょう。
散骨にかかる費用や供養の方法がイメージできないという方は、まずは散骨業者にご相談ください。