散骨・海洋葬を行う時の服装
葬式と言えば喪服というイメージがありますが、散骨の場合は平服で行うことが推奨されています。散骨の際に平服が勧められる理由についてご説明しますので、散骨を考えている方は参考にしてください。
また、平服と言っても、場所によって着て行くべき服装は変わるため、散骨場所に合わせた適切な服装についてもご説明します。
散骨に平服が勧められる理由
散骨に平服が勧められる理由はいくつかありますので、順番に理由をご説明します。
乗船するため
海洋散骨を行う場合は船に乗る必要が生じますが、普段から船に乗るという人は少なく、乗り慣れていない場合が多いため、着慣れた平服を着て散骨することが推奨されています。
船が揺れたり、デッキの床がに水が濡れて足場が悪くなった場合などは、足元が滑りやすくなり危険です。普段から着慣れていない喪服を着ることで事故を招く可能性がありますし、水に浸ることで革靴の品質も劣化してしまう可能性があります。
形式よりも安全面を重視する必要があるため、散骨の場合は無理に喪服を着ることはせず、平服で臨むようにしましょう。水に濡れてしまっても構わない靴を選ぶことも忘れないでください。
どうしても船上で喪服を着て散骨をしたいという方は、散骨現場に到着してから着替えるという方法を取ると比較的安全です。
山の中を歩くため
山で散骨をする場合もあるため、登山に不向きな喪服で移動することには危険が伴います。山中を歩く場合は、山登りに適した服装をしておく必要があるでしょう。
木の枝などに服が引っ掛かって傷ついてしまう可能性もあるため、着れなくなっても困らない服を用意しておくことをおすすめします。
周囲の人への配慮のため
喪服を着て散骨をすると、どうしても目立ってしまうという問題があります。葬儀場など、葬式目的のための場であれば喪服を着ていても違和感はありませんが、散骨をする場所では葬儀以外の目的でその場に来る人がいる場合もあります。
海洋散骨の場合は、公共のヨットハーバーなどから乗船するため、喪服で移動している集団がいると、かなり目につきます。
ヨットやサーフィンで波を楽しむために来ている人や、漁師として生活をしている人から不愉快に思われてしまうことを避けるために、喪服は避けるべきであると考えられています。
自由な葬送のため
散骨は既存の方法に捉われない葬送であるため、散骨を希望する人には、仏教などの宗教的なしがらみを好まない人が多いです。宗教的なシンボルとなる喪服を着ることで、どうしても儀式のイメージが強くなりますので、自由な葬送をしたいという人には向いていない服装となる場合があります。
故人の遺骨を自由な形で弔いたいという考えのもとに行われる散骨ですので、葬送における服装も個人の自由であるべきという考えが浸透しつつあります。
散骨は、服装の面からも、古来のしきたりに囚われない新しい儀式であると言えるでしょう。
状況ごとに適した服装とは?
散骨を行う状況ごとに適した服装をご紹介します。
散骨をする状況は様々ですので、服装も合わせて変える必要があるでしょう。
海洋散骨の場合
海洋散骨の場合は、海上で風に晒されて寒くなる可能性があるため、防寒着を持っておくと良いでしょう。濡れても問題無い服を持っていく必要はあるものの、海に潜るわけではないため、水着を用意する必要はありません。
普段生活している時に着ている服を用いれば十分でしょう。革靴などは水に濡れて劣化してしまう可能性があるため、靴に関してはマリンシューズなどの海専用の靴を用意しておくと安心です。
山中への散骨の場合
山中への散骨場所に向かう過程で、服が傷ついたり泥だらけになってしまう可能性があるため、丈夫な服を用意して参加しましょう。場所によっては海以上に服を駄目にしてしまう可能性もあるため、改めて新しい服を買うことを検討してみても構いません。
山登り用の本格的な服を購入しても構いませんが、頻繁に山に登るわけではないのなら、使い捨てとして安価な服を買い求めると良いでしょう。
海上と同じく、靴は劣化しやすくなるため、登山用に意識した靴を用意する必要があります。服と合わせて、使い捨ての安いシューズなどを用意しておくと安心でしょう。
空への散骨の場合
空や宇宙の散骨は珍しいですが、遺族は遺骨を見送るだけであり、直接散骨場所に向かう可能性は低いため、普段着を用意しておけば問題ないでしょう。
場合によってはヘリなどに乗って散骨現場に同席する可能性はあるため、どのような流れで散骨を行うことになるのかは事前に確認しておきましょう。
ヘリなどで上空に向かう場合は、寒くなりやすいため防寒着を用意しておくとよいでしょう。海や山のように服が劣化してしまう可能性は低いため、服装面で注意するべきことは特にありません。
まとめ
散骨時の服装についてご紹介しました。
散骨時の服装は自由ですので、平服で参加しても問題無いものと覚えておきましょう。こだわりがある場合は喪服を選んでも、もちろん構いません。
しかし、場所によっては目立ちすぎてしまう可能性もあるため、散骨業者側で喪服を遠慮している場合があります。散骨時のルールに関しては事前に散骨業者に確認しておきましょう。